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「そばに……いてあげる!」
うるさい、死ね! 死ね、この勘違い女!
心の中で吠えながらなんだか俺は泣きそうになっていて、怒りと、屈辱と、悔しさと、いろんな哀しみ、そして一抹の恋心で、顔面はきっと、ぐしゃぐしゃになってる。
ドン、と爆音から始まってうねりだすベース、明滅するライト。熱狂する観客。イントロのギターのアルペジオ。
暗がりの中、きっと俺の顔は見えてない。そもそも隣のバカ女は、次の曲が始まるやいなやステージに夢中で、きっと涙にも気づいてない。あれだけ、見たい見たい、泣いて泣いてとせがんでいたくせに。男に泣け泣けって、ああ、思い出すだけで、くそ女。
揺れもせず、恍惚とした横顔さらすそいつは、見た目だけはやっぱり、かわいい。作り物だとしても。片手に握りしめたプラスチックのカップ、そのなかはたぶん、アルコールだろう。こいつが妙に大胆になるのは、決まって、酒を飲んだときだ。酔ってもいないくせに、酔ったふりで。
しんじまえ、ばか女。誰のものにもなるな。

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好きだとさみしくて、嫌いでもみじめ。
信じないのに好きで、信じても無尽蔵。

夏の日の夕方みたいに生きていけたらいいな
好きなものがありすぎてこわいな
時々ほんとうに血の気が引くようにこわいな
好きなものが好きすぎて
世界がかわっていくことが
こわいな
嬉しいな
幸せだな
こうやって一生いろんなことを飲み下しながら生きていくんだろう
夏は巡る
わたしの夏が終わる

睡蓮が開く音がする
赤い尾ひれを幻視する
水にぬれた少女のゆびさきが翅のような花をつみとって差し出す
ながい腕のしろくてすべらかなのがいづれ失われるとしても
薄暗い四畳半の片隅で
あさがおが奇跡のようにするすると伸びて花開いたのがわかる

なにもできない
なんでもできる
どこにもいけない
どこにでもいれる
わたしはただ立っていることができる
夕方の帰り道を歩いていくことができる
決してうしなわない自信がある
大人になってもやめない
やめられないんじゃなくてやめない
夏は巡る
夏は巡る
夏は巡る

ぱちんと弾けた音がする
水を帯びた花が風に揺れて
やがて夜になる止まらない夕方が好きなのだと
めまぐるしく止まらない夏のことを
だんだんわかるようになる
あんまりほろほろほろほろ泣くのでまったく無意味なことに欲情してしまった。すこぶるおろかだった。
夜やってくるあいつが怖いんだね。現実はいつもはうまくいかない。
思い出せない。鳥肌を立たせた声のこと。イントロのアルペジオ。
鬱屈の中に沈んでいく深海魚みたいに。
シャボン玉みたいに浮かぶ音楽盤。赤い目。
干からびて打ち捨てられた自意識の残骸。
いつまでたっても好きになれない誰かのこと。かなしみの予感。
嘘と、積読本。ターヘル・アナトミアで晒された少女。
なくしてしまった。
もういない誰かのこと。
自己愛ばかりで厭になるね。もうどこにもいけないし、何にもなれないし、立ち止ったままずるずると、日々嫌な女になりながら、老いさらばえて、枯れて、死んでゆく気がする……。
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