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リア充爆発しなくていいからあやからせて下さいお願いします
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信じなかったわけじゃないよ。
君の体はどんな色をしている? 僕の目にもそれは見える?
安っぽい殻をあばいて、その中で僕をあざむく君が、あぁ、そうだ、きれいだった。
触れたくてふるえた指がばらまいた僕のカード。
なくしていくもののほうがよほど多かった。とりこぼすまいと生きてきたけど、君は?
花を撒くように君の体から、蒼くぬれた髪から、宝石のような嘘が落ちる。深い森の中、ひるがえる蒼を追って、僕は歩く。
頭上で気味の悪い鳥が鳴いている。僕は歩く。この鳥はきっと帰り道を食べてしまう。
僕は歩く。
色あせていくのならそれでかまわない、ただ、どうしても。
目的なんか僕にはないよ、ただ、僕の前で散らせない。ずっとそういうふうに生きてきたんだ。
あの星にいけないのなら僕が覆いを作ってあげる。君に憑くすべてもの悪いものを僕が摘み取ってあげる。
もう一度。
遊びをしよう、どうやって君をなだめすかせばいい? 手持ちのカードを君は見抜いてるの、それとも盲目で。慎重に、慎重に、何をまとってそんなに君は美しい。
笑って答えない君の唇を、あの鳥はどうやってむしばむの。
もう二度と。
閉じ込めた箱の中、ただきれいなままでいてほしい。笑って、ねぇ、いつか出て行くならそれでいい。散らないように支度して、褪せるのならそれでいいから。それまで鍵は僕が預かる。何度と鳥が鳴いて朝がめぐっても。
君は裸足でどこまで行けるの? 飛べない鳥の力を君は信じない。僕は大人なんだ。ずるいから何も守らない。革靴を履いて君を追う、僕の頭上で片翼の鳥が飛びまわっている。僕はそいつだっていとおしい。
なにも壊させやしないよ、ねぇ、知ってるだろ。うぬぼれだと笑うの? ならなぜ誘う。視界をよぎる君の光が、花のように嘘のように、夜のように闇のように、青白いライトの下、白いシーツ、恋人を信じずに、僕を信奉する君は。なぜ、引き当てた?
それは僕の切り札。

出口が無くてもかまわない。どうしてそれを信じない?
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いのっていたのだと僕は聞かされる。何も知らないかわいそうな大人たち。白い象徴は怠惰のあかしさ。自分を表現するのを怠けたんだ。
まもられていたのだと僕は聞かされる。自分を律することをやめて薬を覚えて。退廃で呼吸したらきっともうあの星へはいけない。帽子入れの中に見えない鳥がいて、僕はそれを逃がした。裏切られるのをおそれたんだ。
先生が額に掲げる古いレコードの中で自分と目が合ってほくそえんだ。鏡像は意地の悪い美少年の顔。風が吹き、カーテンがゆれる。白いペンキのはげた窓枠のむこうに、海のような青い森。ザワザワとさざなみがうたう。無力な先生は僕にふれたがって、錠剤をばらまく。リノリウムにぶちまけられたひとつひとつを拾い上げて、ビンに入れて、夜やってくる恋人のために。ひどい風が吹き荒れる。嵐になるなと先生が言うから、僕は歓喜する。
壊れた窓の鍵に誰も気づかない。
窓辺で歌をうたおう夜に啼く気味の悪い鳥のように。パジャマのボタンをはずしたら息ができない! 宇宙にいるみたいだね。
ベッドの上で跳ねる跳ねる跳ねる。蛇口をひねると赤い水が渦を巻く。もうどこへも行けない。もうどこへも行けない。
「ごめんね」謝ると君はすごく怒るから言えずにいる。
夜明けの薄闇のあいだ、僕は唯一すなおさを取り戻す。少年になれる。出会ったころ僕は君の包帯がほどかれるのが怖かった。だから夜な夜な指をねじ込んで傷口をえぐった。だけどねぇ僕のうつくしさを知っていたね。初めての人だった。
「ごめんね」唾液とともに何度だって飲み込んでいる。君はすごく狂っているようだけどじつは僕のことを信じきっている。
おかしいのは僕のほうだった。
だからねぇ僕は行けない。どこへも行けない。箱の中に閉じこもって毎日がそこなわれていくのをながめているしかない、色あせてゆく赤い花のような生活を。
さようなら。どうか先に行って、先生はきっと見抜いてる。僕の完成された仮面の下に息づく怪物を。奇怪な御祭りの列をきっとあの粗暴な手で打ち砕く。窓を開けて飛んでいって、どうか、僕が小さなころ殺した見えない鳥のかわりに。
あくる朝せんせいがぼくのほおを打った。もうひとりじめできるのにちがうちがうと怒るから、どうしていいかわからなくなった。僕はきれいなまま死んでいく人形みたいだ。
君はいまごろ海の上へ落ちただろうか。ひそやかに繰り返されるさざなみの音にいまだ変化はない。
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