忍者ブログ
リア充爆発しなくていいからあやからせて下さいお願いします
[781]  [780]  [779]  [778]  [777]  [776]  [775]  [774]  [773]  [772]  [771
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



苛々することにも腹がたつ。ふとするときにリフレインする言葉が引っ掛かって取れず、最悪だ。つまるところ不快不快、参った。シンクにあらはれた水っぽい味の緑黴みたいにこびりついている、ちょうど心臓のあたりの骨のところに。勿論あたしは黴なんてくちにしたことないけれど、みるたび、思い浮かべるたび、気持ち悪い腐った水の味を感じる。



冬が近づいてあの子はミルクココアのカーディガンをきて髪をのばしありふれた女の子になってしまった。没個性的だ。でもかわいい。まあ、どちらにせよ、脱がしてしまえばおんなじだ。かわいい。時々目が游いだり据わるからかわいくない、が、そういうときは黙して抱き締めるに限る。

夏は汗と、フェロモンのにおいがした。時々思い出したように制汗剤をつけてくることもあったが、すぐシャワーを浴びるから余り意味がなかった。
冬は、石鹸のような、やさしい、やわらかいにおい。かわいい女の子にだけ許されるにおい。たぶんカーディガンの柔軟剤。要するに没個性的だ。脱がした。


生身の肌、は、無味無臭。

「なにか厭なこと遭った?」
「忘れた」
「驚いた。鶏レベルの脳味噌じゃないか」
「あたし、でも、期末一桁だった、順位」
「たまげた。井の中の蛙にそっくりだ」


んん?右肩の背中に近いところに引っ掻き傷がある。見事。よくもまあこんなにきれいに傷つけられるものだ。つけづめのせいだろう。




刺青をした。右肩の背中に近いところに細く。さん。数字のさん。まじわったかず。


彼にはいつも慣れてるよという。すきだし、たのしいし、最高だという。
ぜんぶ嘘っぱち。ほんとうはろくに経験がないし、初めてだって彼だった。でも余裕綽々よざまあみろといっていたい。だって、潤いをくれるのは彼しかいないから。

鶏頭だけどわすれたくないことはあり、青を入れる。



葉巻を吸う。螢ほどの光りがぽつんと浮かび、有毒のトランキライザーがせまい部屋を煙くする。
ニコチンと、彼女と、氷を噛み砕くことだけはやめられない。どれもスッキリする。あと極めて退廃的だ。




あ、タイツ伝線した。






「遭ったよ」
「え?なにが」
「厭なこと」
「ああ。思い出したの」
「うん」
「じゃあ、」


忘れないとね。





お題:記憶の中の無味無臭の部分
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
最新コメント
[05/03 みずいち]
[11/12 藍羽]
[11/10 水一]
[11/09 藍羽]
[10/26 水一]
ブログ内検索
BlogMusic
忍者ブログ [PR]


(Design by 夜井)