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才能のある、冴えない男が好きだった。
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大学生。ばかみたいな４年間。きっと一生のうちでいちばん小賢しい４年間。
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美しいけれどもたいそう病的な彼女がそのあまりに細く抜けるように白い身体にキラキラしたカラフルなミニスカートの衣装をまとい、ほっそりしすぎて痩けてさえみえる?を引き上げて満面で笑い、折れそうなピンヒールをはいた棒のような脚を振り上げて踊るさまはなんとも痛々しかった。美しい、美しいのだけれど、隣で健康的な弾けるような魅力を爆発させて踊る子供みたいなあの子の方がよほどこの舞台に見合っていた。

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みつけてほしい、どうしようもないわたしを、みつけて、陽の当たるところに連れてって、どうしようもなくなんかないよって言って欲しい。
欲しいばっかりで辛い。わたしはなんにもあげられない。提供できない。
そんなことないんだって、わたしにだってなにか、なにかできるんだって、なにか提供できるんだって、そう、信じたいのに。
わたしをみつけてほしい。
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1年なんて数値にしちゃえばあっというまで、でも毎日を生きる一年は全然あっというまじゃなくて、わたしが選べなかった世界線が着実に密度の高い一年を過ごしてステップアップしていったように、選べなかったわたしの一年だって着実に怒涛の一年だった、振り返ってみれば残った結果はたいしたことないのかもしんないけど、わたしの精神世界はもっともっと怒涛で、たいしたことないなんてことなかった、なんにもないなんてことなかった。私は私なりに生きたと思う。そう思いたい。
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