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暑い…
帰りたい
暑い
しぬ
なんでだろ
なんでこんな
つくるの?

楽しいの?
つまんなくない?

大丈夫?



あたしもか
てゆか、あたしだ


かえたほうがいいってことが
あるのかもしれない

じゃあかえるしかない?
努力?

でも自分好きじゃないんだ
変えたい
変わりたい

自分好きじゃない
好きじゃないけど
好きになりたい

変わりたい


たぶん、時が来た ってやつ だ
自分のことしか
考えてないから
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ムカつく
ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく

どうしろって? うん、素ですけど
勝手にいってろよ

まじうざい
てゆか、いま何いってもムカつくよね?
うん、再起不能

無理無理無理

無理

素ですけど?

 先生、あなたはいつからそんなに壊れてしまったの。
 

 陽の当たらない場所で全てに絶望していたわたしを、あなたは救い出してくださいました。
 閉ざされていた視界に、光があふれだしてきたんです――白く、白く。

 先生、どうして、どうしてそんなに、陰った部屋にいるの?
 外は晴れています、花は咲いています、光は白く降り落ちています。
 先生、先生。 
 どうして?

 先生。



陽の当たらないロマネスク



 先生は全く家の外に出ない。
 話題の小説家として執筆に追われている先生だけれど、仕事がひと段落ついたときでさえ、一度も外出されたことがない。一度も、といっても、わたしがこの家にやってきてからの一年間で、だけれど。

「先生、紅茶をお持ちしました」

 いつも通りに午前九時、先生が執筆をはじめたころを見計らって、書斎の前に立つ。
 アール・デコの西洋式扉に軽いノックを二度。数秒たって、「どうぞ」と返事があった。
 片手で持った紅茶のお盆を落とさないように気をつけながら、扉を開ける。
 ――ひんやりとした空気。時計の針の音と、先生の万年筆が原稿用紙をすべる音だけが、やけにはっきりと響く。渋い竹色の着物をきた先生の背中は、大きめの洋机にむかってのめり込むように丸まっていた。ああ、熱中しているんだ、執筆に。
 こじんまりとした部屋には唐草もようのカァペットが敷かれ、その上に洋机と椅子が一そろい。部屋の壁沿いをぐるりと囲む書棚。そのほかに家具はなにもない。先生の執筆を邪魔しないように気をつけながら、机のかたすみにそっとお盆をおいて、お茶を注ぐ。




 
 

昔々、愛した人がいました
そのひとは堕落してしまいました
救いようの無いような泥沼に
あの人は自ら沈んでゆきました

手を伸ばしていたら
もうすこしはやく手を伸ばしていたら
あなたはこの手を取っていましたか?
あの男の手ではなくて

家の苦しいことがそこまであなたを苦しめたのですか
一体なにがあなたをそうさせたのですか
何故

あの穢れた男の手はそこまで輝かしくみえたのですか
あの卑しい男の示す道はそこまで華やかに思われたのですか
何故 何故
そんなにもうつくしいあなたの身を 見ず知らずの者に触れさせるような

金が欲しいならそういってくださればよかったのだ
助けをお望みなら声を上げてくださればよかったのだ
わたしはすぐにでも向かったのに
何もかもを放り出して


……エゴでしょうか?
嗚呼、あなたが大切でした
あなただけを焦がれていました
あの日からです、あなたが沈んで見えなくなったあの日から
わたしの世界には陽が差さなくなりました
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