忍者ブログ
リア充爆発しなくていいからあやからせて下さいお願いします
[135]  [136]  [137]  [138]  [139]  [140]  [141]  [142]  [143]  [144]  [145
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あなたとめぐるひととせは、うつくしくってすこしせつない
しとやかに雨の降るように、わたしのかかえる細やかな秘密は、あなたの心臓にそうっと溶けて混ざるだろう
身をそらす花々の断片は雨粒を受けてしっとりと濡れそぼり、やがて雲の切れ間から光さすころには、透きとおる露をたたえた葉がかがやかしくきらめくことだろう
雨だれがぽつぽつとうたい、あなたの膝元にひろがる本のページからは、古びたなつかしいにおいが立ちのぼってくる
そっともたれかかった肩がやわらかくて、あたたかくて、よい匂いがするので、きっと、眠りは、もうすぐだ。
PR

それはたわごとです

自己顕示欲を飲み下した 青色症 凍てついた吐息 封じられた冬の夜
あの日わたしは逃げなきゃいけないと思った

血の匂いのするフェンスで 絡み合わせた指と指が すべて変えてくれると信じた
暴力になんか屈しないと誓った

見下ろした静止渋滞 けして動かない車の列 フロントガラスにうつる憂鬱 それでもまだ信じた

港は封鎖された もうだれも高くは飛べない 逃げ遅れた両足が 下へ下へ跳んだ わたしの財産は 空の藻屑になった
あの日わたしは泣いても許されるだろうと甘えた

ファンデーションの繭の中で
横たわる真実をさぐった 赤子のように泣きじゃくったのを覚えている
あの日わたしは希望になんかかどわかされないと誓った
ベースが低く暴力的に唸った。風子の白い、細っこい指が、信じられないぐらいの圧力を感じさせながら、太い四つの弦を次々に押しつぶした。反動で反り上がってきた銀色の弦は細かく細かく振動して、白い軌跡が弧を描いた。人差し指と中指が弦を引っ掛けては弾き、押しつぶしては放し、くるくるくるくる、踊る。重たい低音は暴れる獣のごとく、唸る、唸る。ずっしりした響きが、ずうん、と心臓に、もっとしたの下腹部に、クる。制服の袖から剥き出しになった両腕の、肌の表面が、ぞわぞわと粟立つ。心臓が早鐘のように胸を打ち、全身の血の巡りが激しくなっているのがわかって、ようやくわたしは、興奮しているのだと気づいた。ベース。深くて暗い、濃厚な桃色のボディ。そのうえにまたがって伸びる、四つの太い、銀色の弦。これがベース。
青いスポットライトを薄く浴びながら、風子は心底楽しそうにほほえんでいた。メロディラインにのせて、白いワンピースを着た風子のからだが、右に、左に、揺れる。こちらに見せ付けるように、白い腕がしなって、動く。これだけ暴力的な音を出しているのになんと余裕なのだ。額にじわりと浮かんでいた汗が玉となって頬をすべりおちていくのも、わたしにはとても魅力的に見えた。

わかんないな。
制服をぬぐと、先生は満ち足りたような顔をする。それから、わたしじゃなくて、わたしの足元にすべりおちた、くしゃくしゃになった白いセーラーを、手にとる。まだぬくもりの残ったそれに、先生はすがるように顔をうずめる。それから、泣く。声を上げないで泣く。
わかんないね。
先生はたぶん、わたしじゃなくていいのだ。先生がどうにかして手に入れたかったものは、わたしじゃない。セーラーなの。白い。なまあたたかい。セーラー。
泣いている先生の記憶の中で、だれがセーラーを着ているのか、わたしは知らない。
わかんないよ。
いい大人の男が、なんの変哲もない、無力で、かわいげのない、ただのちっぽけな女子供のまえで、泣いている。声をけんめいに押し殺して泣いている。みじめだ。哀れで、情けなくて、気持ち悪い。不快なすがたをさらす男。ふだんはおおくの生徒たちから羨望されているはずの、男。
わかんないの。
どうしてわたしは、この職業倫理の欠片もないおぞましい男に、ゆりかごを与えてしまうのか。唯一無条件で泣ける場所を、すがりつける場所を、子宮のようなゆりかごを。
足元で男がぶるっとふるえた。ウッ、と、うめくような嗚咽が一瞬、漏れた。わたしはたまらなくなった。この情けない男を蹴り飛ばしてやりたくて、たまらなくなった。足の指に力をこめてその衝動にひっしに耐えた。しねばいいのに。頭の中で罵詈雑言がリフレインしだす。また、先生が、ウゥ、と弱々しく声をあげる。低い、かすれた、頼りないその声。わたしの中でなにかがバチンと弾けた。わたしは足元の男を蹴飛ばした。
足裏にかたくてやわらかくて、なまあたたかい感触があった。わたしは今、尊敬すべき先生を、庇護するべき男を、蹴った。先生は、男は、セーラー服にしがみついたまま、どすんとしりもちをついた。涙でぐしゃぐしゃになった汚らしい顔をあげて、ぽかんとしていた。
わかんないか。
それはそうだ。先生はわかんないんだ。どうしてわたしが、先生のゆりかごになるのか。どうしてわたしが、先生を蹴り飛ばすような衝動に駆られるのか。
やがて先生はゆっくりと目を閉じた。それからワイシャツの袖で顔をぐいぐいぬぐった。顔がきれいになると、先生は糸が切れた人形のように、ぱったりと倒れた。眠ったのだ。死体のように。
わかりません。
先生、わたしは、こうして最後に、あなたの墓場になる。


ゆりかごから墓場まで

まだ寝ないで
起きていて

さきに行かないで
置いていかないで
目が覚めたのならばまず
おこして

連れて行って
忘れていかないで
したくができたならついでに
おこして

まだ夜は長いよ
もうすこし付き合って
起きていて
最新コメント
[05/03 みずいち]
[11/12 藍羽]
[11/10 水一]
[11/09 藍羽]
[10/26 水一]
ブログ内検索
BlogMusic
忍者ブログ [PR]


(Design by 夜井)