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いろいろ悩みながら後方に立ってるつもりでいつのまにか前線に押し出されてたり気がついたら四面楚歌だったりするわけです。少女たちは薄っぺらいセーラー服1枚で、血色のスカーフなびかせて、重すぎるトーキングマシンガンの安全装置を外したり、外さなかったり、外し方がわからなかったりしながら、敵とみなした何かに銃口を向けるのです。忘れてはならないのはひ弱な身体でマシンガンをぶっぱなす以上自身もただではすまないということです。狙いを外したり、半端に傷つけて返り討ちにあったり、暴発したり、狙い通り撃ち抜いても反動が大きすぎて耐えられなかったり、といったリスクを負います。けれど闘わずにはおれないのです。丸腰で突っ立っていてみなさい、死にます。背後に気を付けなさい戦場の少女たち。抗わずして、血を流したからだで、待っているのは精神の死だけです。白衣の天使たちは忙しいのですから、青春に殉死しようとしているちっぽけな少女たちになど気づいてはくれません。
戦場において必要なのは自身の戦闘力だけではありません。戦略を練り、勢力をかきあつめ、長いものに巻かれ時には意見を述べて、なんとかなんとか生きてゆかねばなりません。
それにしても、青春ゲリラ戦における戦闘服が制服だけというのは、ひどい話ではありませんか。あんなに薄っぺらい生地じゃあらゆる武器が生肌に傷をつけますしあんなに長いスカートじゃ動きづらいことこの上ないのです。少女たちにできることといえば髪をいじったりちょっとした着こなしの工夫をするぐらいのことしかないではありませんか。しかしこのほんのちょっとの違いが、少女たちの生死を思いの外左右するのですが。
とかく思春期は生きづらいし、血みどろで、包帯をほどき、凝固した赤を洗い流しても、社会という新しい戦場でときどき、ずきっ……と古傷が疼くのでしょう。
戦場において必要なのは自身の戦闘力だけではありません。戦略を練り、勢力をかきあつめ、長いものに巻かれ時には意見を述べて、なんとかなんとか生きてゆかねばなりません。
それにしても、青春ゲリラ戦における戦闘服が制服だけというのは、ひどい話ではありませんか。あんなに薄っぺらい生地じゃあらゆる武器が生肌に傷をつけますしあんなに長いスカートじゃ動きづらいことこの上ないのです。少女たちにできることといえば髪をいじったりちょっとした着こなしの工夫をするぐらいのことしかないではありませんか。しかしこのほんのちょっとの違いが、少女たちの生死を思いの外左右するのですが。
とかく思春期は生きづらいし、血みどろで、包帯をほどき、凝固した赤を洗い流しても、社会という新しい戦場でときどき、ずきっ……と古傷が疼くのでしょう。
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電気のついていない生物室は薄暗くも、昼下がりの陽光を窓からたっぷり取り込んで明るくもあった。黒い実験机の上に四角く切り取られた光が投げかけられている。人気のないそこは授業時の喧騒とは程遠く、学校とは思えないほどにしんと静まり返っていた。
外からはかすかに生徒たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。
とりわけ明るい窓際には汚れの蓄積された水道があり、コケのこびりついた水槽やフラスコやビーカー、黒く焦げ付いたマッチ棒、しなびた水草の束などが乱雑に積み上げられていた。ほんと、整理しないんだから、先生。
土っぽい、湿ったにおいに誘われて、わたしは窓際に近寄っていった。水道の上の平らになっているスペースには、くすんでいたりへんなかたちをしていたり、まるで可愛げのない植物たちが大量に栽培されている。花屋さんのかぐわしい香りとは違う、ホームセンターの園芸コーナーみたいなしっとり濡れた土のにおいが、湿っぽく濃厚に、漂っている。実験用の植物なのだろうが、それにしても、かわいくない。きれいじゃない。「かがやかしい生命力」というより「耐え忍んで生き永らえる」、といった感じの日陰の植物だ。地味。
こんな地味~な植物を、女生徒に大人気の華やか~な先生がちまちま栽培してるんだって思うと、笑えた。
そのときキィィ……とかすかな音をたてて生物準備室のドアが開き、先生が入って来た。清潔な白衣が日に照らされてまぶしい。
「先生」
「お、早いね。感心、感心」
ポケットに両手をつっこんで先生は笑う。それから「翳ってて肌寒いな」、と洩らしたので「日なたはあたたかいですよ」と誘ってみた。そうしたら先生は意外にも寄ってきてわたしの隣に立った。わたしはせいのびしないと見下ろせない植物たちを、先生は何気なく突っ立ったまま見渡せるんだって気づいた。
「おー、育ってんなー」
「え、……これで育ってるんですか」
「なに言ってんだ、すくすくだぞコラ。元気いっぱいだっつーの」
「だって、これ、地味だし」
「はい罰則ー。水やりしといて」
わたしがあげた驚きの声を無視して先生は黒板のほうへ行ってしまった。白衣のすそが翻るのをうらめしく見やりつつ、でも先生に頼みごとをされたのは嬉しいので、わたしは水道のがらくた(に見える)山から安っぽいプラスチックの黄色いじょうろをひっぱりだした。
「そうだ、双海。なんか好きな魚言ってみろ」
「え? 魚ですか?」
「そう、魚」
蛇口をひねり、じょうろに水をためながら、わたしはちょっと迷ったのち「まぐろ?」と答えた。そうしたら一瞬沈黙があって、呆れたような声で、
「ばか、そっちの魚じゃない、そりゃ寿司だろうが! 俺がいってんのは水槽で飼うような魚だよ!」
「えぇ!? そんなの、いきなり魚とか言われたらわかりませんよ!」
「ほんっと、ずれてんな、双海は」
「ええええ……」
恥ずかしさに俯く。と、じょうろに水が溜まりすぎているのが目に入った。あわてて水を止め、苦労して持ち上げようとすると、先生に「こっち」と呼ばれた。いつのまにか準備室のなかに移動している。入り口に寄って行ってそうっと中をのぞくと(生徒の入室は禁止されている)、先生は「特別な」と言って中に入れてくれた。
「これ、」
うれしくてうれしくてにやつきそうになる顔を抑え込んで、先生が指差すほうを見た。そこにはおおきくて空っぽの水槽があった。わたしが両手を広げたぐらいもあって、そうとう磨いたのか、新品とまではいかないけれどぴかぴかにかがやいている。向こうの景色がはっきりと透けて、硝子の宝箱みたい。
「育ててたメダカな、別の水槽にうつしたんだよ。そしたら空いたんだけどな、ほかに飼う予定の魚もないし」
「そうなんですか」
「だから、水やりのごほうび。双海の好きな魚いれてやる」
その代わり、これから毎回授業前には水やりしろよ。と先生は付け足した。わたしがなにか言う前に昼休み終了を告げるチャイムが鳴り響いて、どやどやとクラスメートたちが入って来た。わたしは自然と準備室を追い出され、ぽーっと上の空のまま授業を受けた。ちょっとはやく来てみて良かった、と心から思った。
放課後、わたしはすぐに図書室に駆け込み、おもたい熱帯魚図鑑をひらいた。
外からはかすかに生徒たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。
とりわけ明るい窓際には汚れの蓄積された水道があり、コケのこびりついた水槽やフラスコやビーカー、黒く焦げ付いたマッチ棒、しなびた水草の束などが乱雑に積み上げられていた。ほんと、整理しないんだから、先生。
土っぽい、湿ったにおいに誘われて、わたしは窓際に近寄っていった。水道の上の平らになっているスペースには、くすんでいたりへんなかたちをしていたり、まるで可愛げのない植物たちが大量に栽培されている。花屋さんのかぐわしい香りとは違う、ホームセンターの園芸コーナーみたいなしっとり濡れた土のにおいが、湿っぽく濃厚に、漂っている。実験用の植物なのだろうが、それにしても、かわいくない。きれいじゃない。「かがやかしい生命力」というより「耐え忍んで生き永らえる」、といった感じの日陰の植物だ。地味。
こんな地味~な植物を、女生徒に大人気の華やか~な先生がちまちま栽培してるんだって思うと、笑えた。
そのときキィィ……とかすかな音をたてて生物準備室のドアが開き、先生が入って来た。清潔な白衣が日に照らされてまぶしい。
「先生」
「お、早いね。感心、感心」
ポケットに両手をつっこんで先生は笑う。それから「翳ってて肌寒いな」、と洩らしたので「日なたはあたたかいですよ」と誘ってみた。そうしたら先生は意外にも寄ってきてわたしの隣に立った。わたしはせいのびしないと見下ろせない植物たちを、先生は何気なく突っ立ったまま見渡せるんだって気づいた。
「おー、育ってんなー」
「え、……これで育ってるんですか」
「なに言ってんだ、すくすくだぞコラ。元気いっぱいだっつーの」
「だって、これ、地味だし」
「はい罰則ー。水やりしといて」
わたしがあげた驚きの声を無視して先生は黒板のほうへ行ってしまった。白衣のすそが翻るのをうらめしく見やりつつ、でも先生に頼みごとをされたのは嬉しいので、わたしは水道のがらくた(に見える)山から安っぽいプラスチックの黄色いじょうろをひっぱりだした。
「そうだ、双海。なんか好きな魚言ってみろ」
「え? 魚ですか?」
「そう、魚」
蛇口をひねり、じょうろに水をためながら、わたしはちょっと迷ったのち「まぐろ?」と答えた。そうしたら一瞬沈黙があって、呆れたような声で、
「ばか、そっちの魚じゃない、そりゃ寿司だろうが! 俺がいってんのは水槽で飼うような魚だよ!」
「えぇ!? そんなの、いきなり魚とか言われたらわかりませんよ!」
「ほんっと、ずれてんな、双海は」
「ええええ……」
恥ずかしさに俯く。と、じょうろに水が溜まりすぎているのが目に入った。あわてて水を止め、苦労して持ち上げようとすると、先生に「こっち」と呼ばれた。いつのまにか準備室のなかに移動している。入り口に寄って行ってそうっと中をのぞくと(生徒の入室は禁止されている)、先生は「特別な」と言って中に入れてくれた。
「これ、」
うれしくてうれしくてにやつきそうになる顔を抑え込んで、先生が指差すほうを見た。そこにはおおきくて空っぽの水槽があった。わたしが両手を広げたぐらいもあって、そうとう磨いたのか、新品とまではいかないけれどぴかぴかにかがやいている。向こうの景色がはっきりと透けて、硝子の宝箱みたい。
「育ててたメダカな、別の水槽にうつしたんだよ。そしたら空いたんだけどな、ほかに飼う予定の魚もないし」
「そうなんですか」
「だから、水やりのごほうび。双海の好きな魚いれてやる」
その代わり、これから毎回授業前には水やりしろよ。と先生は付け足した。わたしがなにか言う前に昼休み終了を告げるチャイムが鳴り響いて、どやどやとクラスメートたちが入って来た。わたしは自然と準備室を追い出され、ぽーっと上の空のまま授業を受けた。ちょっとはやく来てみて良かった、と心から思った。
放課後、わたしはすぐに図書室に駆け込み、おもたい熱帯魚図鑑をひらいた。
迷いうる少女の心臓はどこへ行けばいい
画面の向こうに広がる世界と対峙する夜
もうすぐ
また新しく指をおる
月曜は何回くる?
わたしは一生サブカルおんなでいようと思った。
恋愛小説をかくのに愛してるなんて言葉は使わない、一度も
メタファーやら多用されて軽くなっていく沈黙の重みやら嗚呼レトリックの神様は先駆者はあなたといると月がきれいですねと言ったのだ!
ごめんね、冷蔵庫のプリン食べちゃった
浴槽にねむる姉はまだ出てこない
やっぱりまだまだだなあ、とか思うんだけど
特定の誰それを切り離して
純粋な自分だけの世界で
文を書くことができるようになるだろうか?
よむひとをふるいおとすような文は正解か?
わからないなあ。
書き続けようと思う、試行錯誤したいと思う
満足したかな?って思ってもぜんぜん足りてない
自分らしさとかそういう問題でもなくてさ
書いて書いて書くことで見つけられるだろうか
媚びない文
むずかしいのね。
今日は特別な日です。
特定の誰それを切り離して
純粋な自分だけの世界で
文を書くことができるようになるだろうか?
よむひとをふるいおとすような文は正解か?
わからないなあ。
書き続けようと思う、試行錯誤したいと思う
満足したかな?って思ってもぜんぜん足りてない
自分らしさとかそういう問題でもなくてさ
書いて書いて書くことで見つけられるだろうか
媚びない文
むずかしいのね。
今日は特別な日です。
そうして泣きそうになりながら興奮でうまく動かない指先でイヤホンを両耳に押し込んで脳内麻薬の補給を始めるとバウムクーヘンなんて流れてきちゃうものだからわたしはたまらなくなってほう、と息をはいた。チェッチェッチェ、と節をつける志村の声に耳を傾けながら藤本ゆきおくんは俺が信じているのはiPodのシャッフルの神様だけだー、なんて叫んでいたけどわたしもウォークマンのシャッフルの神様は信じてもいいかもしれない、と思った。そういう日もある。本当のことなんてなにも知らないけれどもろそうでか弱そうでたよりなさげで、けれど一際輝いていた志村の切羽詰まったような歌い顔が浮かんだ。志村は耐えたのだろう。
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