×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ばかげた話だ。ザットイズトゥーセイ、先生は変態、だった。トイース!くっだらね。
むしゃくしゃした。ようするにちょっとかわいきゃ誰でもいいんでしょ? プリティーグッド。思い余ってひとりでトイスしていたら先生が入ってきてつま先立ちで右腕をぴーんと伸ばしながらしかめっ面をしているわたしをみとめると爆笑しだした。わたしは構わずひとりトイスをし続けた。できればこのまま刺し殺してやりたかった。トイス殺人。
PR
奇しくもその日は授業参観の日で、廊下を大股で早歩きしながら(まだおもいっきり校内であるにもかかわらず)両耳にイヤホンを突っ込み、ウォークマンのホールドを解除して表示されているアルカラの『授業参観』をちょっと聞いて、無駄に高い声をあげていた黒髪の小谷たんのことを思い出したから次へ飛ばして、……飛ばしたら、地獄先生だった。
わたしの両耳がだんだんと熱をもってきたのはまるえつのウィスパーボイスのせい、じゃない。わたしはいま混乱している、ギターの怪しげなリフみたいに。そして怒ってる。
先生、ねぇ先生、
あぁ先生。
地獄へ落ちろ。
なんというかこの、春の訪れの、ていうか季節の移り変わりの、容赦のなさ!流転!不定!超無常!降参だ、まったく降参だ!たまらん!勘弁してくれよ。
彼女はとにかく変なやつで、俺が今までに出会ってきたやつらの中でも屈指の変なやつで、その意味不明な行動のうちの最たるものは次の行為である。
今日も一日ありがとう。そう言って別れ際にそっと俺のことを撫ぜるのが彼女の日課だ。中学生にもなって正直どうかと思う。
人気のない音楽準備室に俺と彼女はふたりきりだった。窓から差し込んでくる夕日で、狭くるしい部屋はあかく染まっている。部屋の両側を占拠する大量の楽器から、年季の入った木の床へと、長い影が黒々と伸びている。閑散としてさびれた夕方の空気が、ぼんやりと部屋中をただよっていた。
楽器を置きにきていた吹奏楽部員たちはついさっきいなくなったし、この部屋を常の練習場所としているクラリネットパートの部員たちも、とっくに片付けを終えて移動している。しかしそのクラリネットパートの一員である彼女は、さっきから俺の前を動こうとしなかった。俺の身体に手のひらをそえてじっとしている。触れられることにはもう慣れたけれど、その手が汗ばんでいるのは正直嫌だ。しかも彼女は何も言わないでいるから、こちらとしてはどうしていいか分からない。ここで「今日の合奏よかったな、上達したんじゃないの」なんて言ってやったら彼女は喜んで「ありがとう、先輩」なんて笑うのかもしれないが、あいにく、それはごめんだ。無理。そんなことを考えていたら彼女の唇がふるえた。
「あのさあ、楽器買いに行くよ、明日」
彼女は唐突に告げた。
彼女が新しい楽器を買うらしいことは知っていた。今までは学校に置かれているふるい楽器を使用していたが、とうとう自分用のものを買うと決めたらしい。どうせなら新入生の入部にあわせて四月にすればいいのに、なぜ一年生の三月という微妙な時期に買うのかは知らない。まあ、なにはともあれ、良いことではあるだろう。
良かったじゃん。そう言ってやっても彼女は表情ひとつ変えなかった。また黙りこくって俺のことをじっとみつめてくる。しかたがないので俺は彼女のこの妙なテンションに付き合ってやることにした。俺も彼女のことをみつめかえしてみる。
彼女の左側から傾いた日差しが降りかかって、うつむいた顔の左半分を照らし出す。二つにくくられた黒髪が橙色に透け、紺のセーラー襟が白い布地に深い影を落としている。顔の右半分はすこし翳っている。時々すごく短くなったりする前髪は今は結構伸びていて、彼女のくるっとした瞳にかかりそうだ。そういえば、彼女はいつも前髪を気にしていた。何度も何度も櫛を通したり、指先でいじったり。そのままでいいのに。切りすぎると落ち込んで、俺と接するときでさえうつむきがちになって、隣の先輩に背中を叩かれていた。
彼女が外見で気にしていることはほかにもいっぱいあった。靴下が下がってくるとか、スカートを怒られない範囲で短くしたいとか、唇がすぐに乾くとか。いつもレモンの香りのリップを携帯していて、しょっちゅう塗りなおしていたのもよく覚えている。ぜったい寿命縮むから俺といるときはやめろって言ったのに、聞かなかった。彼女はたいてい俺の意見を聞かない。そういえば彼女のせいで怪我をしそうになったこともある。
そんな彼女が腹立たしくて、意地悪をしたこともあった。わざと音をはずしたり、音程を狂わせたり。それが彼女の実力不足とみなされることぐらい、分かっていたのに。
彼女がふっと顔を上げたので俺の思考は途絶える。彼女はためらいがちに、けれどもまっすぐに俺を見た。
そういえば今日は、あれがまだだ。くるかな、と思っていたら、きた。
「今日も」
そっと俺を撫ぜる指先は熱い。十二月ごろには冷え切った俺に触れるのを嫌がっていたっけ。
「今日も一日、ありがとう」
俺は例によって返事をしない。
すうっと夕日が冷えていく。とたんに部屋はうすぐらく翳って、早朝や昼間や夜、彼女たちのいないあいだに充満している、ものさびしい空気が降りてくる。彼女の髪からただよう俺にはよく分からない甘いにおいが、セーラーから香るやさしい柔軟剤のにおいが、レモンのリップのにおいが、埃っぽいふるびたにおいに掻き消されていく。さよならなのだ、と思った。これからまた長いあいだ、俺はこの部屋の片隅でじっと、次のパートナーがあらわれるのを待つのだろう。いや、運がよければすぐに新しいパートナーに出会えるのかもしれないが、俺がこの部屋にいた年数を考えると、微妙なところだ。それに、彼女とはもうこれきりだろう。もちろん今までに彼女のほかに俺を選んだ人間はたくさんいた。だけど……汗ばんだ手も、レモンのリップも、それからこの、片付けの際の訳の分からない儀式も、彼女だけだった。
まあ、悪くなかったぞ、一年間。そう心の中で告げた瞬間ふってきたやわらかい感触におどろいた。かすかに、レモンの香りが戻ってくる。
「たぶん。」
寂しい。
自分から溶け込んでく力がなくて、頼りすぎちゃってるのかな。
わたしだけじゃないってどうしてわからないんだろう
どうして気にしちゃって落ち着かないんだろう ばかだなあ わたしにだってわたしの世界があるように向こうにだってわたしのいない世界なんかいくらでもあるのに、どうして受け入れられなかったのかな ていうか気になりすぎて思い付かなかった
根は、すごく重たいとみた
好きなだけで、かわいいと思えばそのまんま誉めるし。
冗談でゆってることもおもたく受け取られるってわたしの態度がそうさせてるんだろうな しょぼーん
カテゴリー
ブログ内検索
BlogMusic
