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「でも、でも、わたし、いったいどうしたらいいんですか」
とつぜん、ワッと声を上げて泣き出した。溢れだした泪はとどまることを知らず、またたくまに溜まりこんで辺り一面海のようになってしまった。ぐずぐずとなずんでいた空は真っ暗になり、雨雪がふり、風がびゅうびゅう吹いた。僕はみをつくしにしがみついて流されないように踏ん張りながら、声を張り上げた。
「だーい丈夫!君は神様なんだからー!」
三メートルの巨体がガタガタ震えだした。こわい!と彼女は泣き叫んだ。彼女の中にいりたってしまった僕はもう、死ぬしか、ないのか!
そのときバツン!と音がしてテレビがついた。画面のなかでいまのおよそ半分の大きさの彼女が笑っている。
「ほらー、おめでとう!今日はきみの、たーん生日!」
いちにっさん、で世界が消えて僕は目をさます。今日、次世代の神様が産まれる瞬間に、僕は立ち合ったのだ。
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発熱する月を抱いている
喘ぐような溜め息で
食い縛る真珠の連なりが
はじけそうにきしむ
発光する塊がうまれてくる
兄と私の穢れた糸が
ぱちりと裁たれるそのときに
わたしはなにも知りませんと
弁明するように泣き出す
冷えることのない
私の月が泣き出す
生きていると叫ぶ
私は生きれない
兄と私は生きれない
永い永い宇宙の中で
死んだはずの星が光っている
重さをなくした揺りかごのなか
羊は死んでくはずだった

誰ひとりとして、死ねない

あたくしの身体を此んなにしたのは貴女じゃアありませんか、御姉様。
「キヨ、キヨ、何処なの。」
御姉様、御姉様、何時も御側に、居りますわ、吁、此れからも御側に、侍らせてくださいませ、御姉様、あたくし、蕪城雪代の願は、ほんとうに、其だけです。
「キヨちゃん、アア、居ましたね。ホラ、御土産です。」
「有難う。」
御姉様、貴女の指は、ほんとうに、針のようね。
「ところでキヨちゃん、あなた、何か、仰有っていましたか。」
「いいえ、何も。」
「あら、そう。厭ね、私、最近多いのよ。耳、悪いのかしら。」
「可笑しな御姉様。」
「ふふふ…。」
ほんとうに、可笑しなおひとね、だって、耳が悪いのは、あたくし、雪代です。
御姉様、貴女がその針のような指で、あたくしの身体を、可笑しくしたんでしょう…。
「ネエ、キヨちゃん、何か云った?」
「いいえ、御姉様。」

君のひとみがたべたいな
星をまたぎ橋がかかり
亡者たちが謡っている
そんな夜に

「あともうすこしで産まれそうです」

白珠の肌に美しいつめあと
あい色に滲むそのあとが
僕の心臓をかきみだしてる
そんな朝に

「ちいさな罪は恋のはじまり」

惑星を棄てた神様は
むかし、むかしは少年だった
ざわめく歓声 悲鳴のように
ただ想像を愛してる

「嘘でもいい。巧く騙して」


そんな日々さ


全部がほしいわけじゃない
片方だけでいいけど
君のひとみがたべたいな
何が見えてるの?


(明くる朝
君の肝臓を誰かが盗んだ
嫉妬によごされたそれは
それでも核はちゃんと薔薇色で
欠落した同士がよいのか
埋め合わせられたほうが痛くないのか
はかりかねた泥棒は
隣家のポストに入れてしまった)


「ずっとそばにいるよ。だから僕と××してください」


そんな世界さ

「君とは生きれない」
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